受け継がれ続けるもの

創業から現在まで一貫してフィンランド女性が手がけているカレワラは、単なるジュエリーデザインブランドではありません。創業者で作家のエルサ・ヘポラウタ(Elsa Heporautaの時代から、カレワラは、時を超えた美しさ、生きる力を与えてくれるストーリー、サスティナブルな価値観を85年にわたって受け継いできました。その精神は、今も私たちの伝統として息づいているのです。

エルサという一人の女性。そしてカレワラの物語がはじまりました


フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」* 初版発行から100周年を迎えた1935年、作家のエルサ・ヘポラウタはフィンランドの文化を築いてきた女性を讃える銅像を建てることを思い立ちます。エルサと女性活動家の仲間は委員会を作って銅像の建設計画を進め、資金調達のために古代の装飾品をもとにデザインしたジュエリーを作り、当時を生きるモダンな女性たちに向けて販売を始めます。1937128日、当時のファーストレディ、フィンランド大統領夫人カイサ・カッリオ(Kaisa Kallioが官邸で主催したお茶会で、カレワラ最初のジュエリーコレクションとなる40個のブローチが集まった多くの来賓や報道関係者たちにお披露目されました。これが私たちカレワラの歴史の第一歩でした。 

* カレワラ Kalevala (フィンランド語ではカレヴァラと発音):フィンランドの民族叙事詩。フィンランド語の文学のもっとも有名で重要なもので、もともと伝説伝承として伝えられていたのを19世紀に医師のエリアス・リョンロート(Elias Lönnrot)が編纂し文学としてまとめた。フィンランド独立期の民族意識の高まりにおいて重要な役割を果たし、美術音楽など様々な分野に影響を及ぼした。

写真:エルサ・ヘポラウタ

エルサという一人の女性。そしてカレワラの物語がはじまりました

フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」* 初版発行から100周年を迎えた1935年、作家のエルサ・ヘポラウタはフィンランドの文化を築いてきた女性を讃える銅像を建てることを思い立ちます。エルサと女性活動家の仲間は委員会を作って銅像の建設計画を進め、資金調達のために古代の装飾品をもとにデザインしたジュエリーを作り、当時を生きるモダンな女性たちに向けて販売を始めます。1937128日、当時のファーストレディ、フィンランド大統領夫人カイサ・カッリオ(Kaisa Kallioが官邸で主催したお茶会で、カレワラ最初のジュエリーコレクションとなる40個のブローチが集まった多くの来賓や報道関係者たちにお披露目されました。これが私たちカレワラの歴史の第一歩でした。

* カレワラ Kalevala (フィンランド語ではカレヴァラと発音):フィンランドの民族叙事詩。フィンランド語の文学のもっとも有名で重要なもので、もともと伝説伝承として伝えられていたのを19世紀に医師のエリアス・リョンロート(Elias Lönnrot)が編纂し文学としてまとめた。フィンランド独立期の民族意識の高まりにおいて重要な役割を果たし、美術音楽など様々な分野に影響を及ぼした。
写真:エルサ・ヘポラウタ

ジュエリーで社会貢献


カレワラのジュエリーはまたたく間に人気となり、銅像建設に必要な資金が集まるまでにそう長い時間はかかりませんでした。しかし1939年に戦争が勃発。委員会は銅像建設計画を中断し、戦争によって支援が必要となった人たち特に女性や子どもたちのためにそのお金を使うことにしました。大家族の母親たちが体を休めるための施設運営、孤児院への寄付、そしてソビエトに割譲されフィンランドが失ったカレリア地方からの避難民向け仮設住宅の建設などが、ジュエリー販売の利益でまかなわれました。戦後になって銅像の建設計画は再開され1946年に完成しています。

写真:療養中の兵士がジュエリーを作る様子

ジュエリーで社会貢献

カレワラのジュエリーはまたたく間に人気となり、銅像建設に必要な資金が集まるまでにそう長い時間はかかりませんでした。しかし1939年に戦争が勃発。委員会は銅像建設計画を中断し、戦争によって支援が必要となった人たち特に女性や子どもたちのためにそのお金を使うことにしました。大家族の母親たちが体を休めるための施設運営、孤児院への寄付、そしてソビエトに割譲されフィンランドが失ったカレリア地方からの避難民向け仮設住宅の建設などが、ジュエリー販売の利益でまかなわれました。戦後になって銅像の建設計画は再開され1946年に完成しています。

写真:療養中の兵士がジュエリーを作る様子

新しいデザインの誕生


1940年代には、初代デザイン責任者ゲルムンド・パーエル(Germund Paaer)の手によりデザインされたジュエリーコレクションは総数200を超えるほどになっていました。博物館にある古代の伝統デザインをベースにしたジュエリーシリーズの他、パーエルは古代のジュエリーの形や豊かな装飾からインスピレーションを得ながら数々のオリジナルデザインを生み出しました。当時そうして生まれた一つに、時代を超えて今なおカレワラ・オリジナル・コレクションを代表するデザイン、Kuutar(クータル:月の女神)があります。

1963年には、カレワラのデザイン責任者としては初の女性となる、ファッションデザイナーのパウラ・ハイヴァオヤ(Paula Häiväoja 1929₋2011)が抜擢されました。彼女の独特なスタイル、超近代的なシルバーとゴールドのジュエリーデザインは、半世紀以上たった今も変わらず未来的な印象を与えてくれます。

写真:1960 年代にPaula Häiväoja によってデザインされた未来的な銀製の頭飾り

新しいデザインの誕生

1940年代には、初代デザイン責任者ゲルムンド・パーエル(Germund Paaer)の手によりデザインされたジュエリーコレクションは総数200を超えるほどになっていました。博物館にある古代の伝統デザインをベースにしたジュエリーシリーズの他、パーエルは古代のジュエリーの形や豊かな装飾からインスピレーションを得ながら数々のオリジナルデザインを生み出しました。当時そうして生まれた一つに、時代を超えて今なおカレワラ・オリジナル・コレクションを代表するデザイン、Kuutar(クータル:月の女神)があります。

1960年代初頭、フィンランドでもデザインの世界はまだまだ圧倒的に男性の領域でした。そんな中1963年、カレワラは女性ファッションアーティストのPaula Häiväoja(パウラ・ハイヴァオヤ1929–2011)をデザイン責任者に抜擢。彼女の独特なスタイル、超近代的なシルバーとゴールドのジュエリーデザインは、半世紀以上たった今も変わらず未来的な印象を与えてくれます。

写真:1960 年代にPaula Häiväoja によってデザインされた未来的な銀製の頭飾り

古代ジュエリーのルネッサンス


1990年代、カレワラの人気はかつてないほどに高まり、旺盛な需要に製作が追いつかず、ジュエリーを購入者を抽選で選んで決めているという噂まで出たほどでした。カレワラのデザインはその当時流行したエスニック・ファッションにこの上なくマッチしたため、伝統的なジュエリーデザインをベースにした大ぶりのブロンズアクセサリーが特に人気でした。カレワラ創立60周年を記念して、1997年のフィンランドの祝日「カレワラの日」にリリースされた Aulinko Leijona(アウリンコ・レイヨナ:太陽の獅子)は時代を超えて最も売れたジュエリーのひとつで、本物のラップランド産ゴールドで作られたシリアルナンバーつき。ファーストロットを入手するためにショップ前の通りには行列ができました。

写真:オリジナルが日の目を見てからちょうど 25 年後、2022 年のカレワラの日にあわせて発売されたアウリンコレイヨナ・アムレッティ。Design by Lina Simons

古代ジュエリーのルネッサンス

1990年代、カレワラの人気はかつてないほどに高まり、旺盛な需要に製作が追いつかず、ジュエリーを購入者を抽選で選んで決めているという噂まで出たほどでした。カレワラのデザインはその当時流行したエスニック・ファッションにこの上なくマッチしたため、伝統的なジュエリーデザインをベースにした大ぶりのブロンズアクセサリーが特に人気でした。カレワラ創立60周年を記念して、1997年のフィンランドの祝日「カレワラの日」にリリースされた Aulinko Leijona(アウリンコ・レイヨナ:太陽の獅子)は時代を超えて最も売れたジュエリーのひとつで、本物のラップランド産ゴールドで作られたシリアルナンバーつき。ファーストロットを入手するためにショップ前の通りには行列ができました。

写真:オリジナルが日の目を見てからちょうど 25 年後、2022 年のカレワラの日にあわせて発売されたアウリンコレイヨナ・アムレッティ。Design by Lina Simons

ラッポニアと力を合わせて


1990年代の力強い成長は2000年代に入っても続きましたが、カレワラは再びモダンジュエリーに焦点をあてるようになりました。2006年初頭、前年に取得・統合したジュエリー・カンパニー「ラッポニア」のスタッフがカレワラの社屋に移転するという大きな変化がありました。このラッポニアの取得により、フィンランドジュエリーデザインの遠い過去から輝く未来までを網羅したコレクションを持つ、ハイエンド・ジュエリーカンパニーが誕生しました。

1960年に創立されラッポニアはフィンランドから最も多く輸出された、国際的に有名な国を代表するジュエリーブランドとしての地位を確立していました。ラッポニアジュエリーは、表現力豊かなで彫刻的デザイン、大胆で印象的な形と素材の組み合わせ、その品質の高さで知られています。国際的に高い評価を得、たくさんの美術館がラッポニアのジュエリーを常設コレクションとして収蔵しています。ラッポニアのユニークなデザインのジュエリーたちは、カレワラのコレクションとして受け継がれ、今後も作り続けられます。

ラッポニアと力を合わせて

1990年代の力強い成長は2000年代に入っても続きましたが、カレワラは再びモダンジュエリーに焦点をあてるようになりました。2006年初頭、前年に取得・統合したジュエリー・カンパニー「ラッポニア」のスタッフがカレワラの社屋に移転するという大きな変化がありました。このラッポニアの取得により、フィンランドジュエリーデザインの遠い過去から輝く未来までを網羅したコレクションを持つ、ハイエンド・ジュエリーカンパニーが誕生しました。

1960年に創立されラッポニアはフィンランドから最も多く輸出された、国際的に有名な国を代表するジュエリーブランドとしての地位を確立していました。ラッポニアジュエリーは、表現力豊かなで彫刻的デザイン、大胆で印象的な形と素材の組み合わせ、その品質の高さで知られています。国際的に高い評価を得、たくさんの美術館がラッポニアのジュエリーを常設コレクションとして収蔵しています。ラッポニアのユニークなデザインのジュエリーたちは、カレワラのコレクションとして受け継がれ、今後も作り続けられます。 

写真:ジュエリーはビョルン・ヴェクストロムによるデザインのプラネターリセットラークソット

今日のカレワラ


80年をこえる長い歴史をもつカレワラは、今日でもその原点に忠実でありつづけています。つよく生きる人のために、いつまでもご愛用いただけるジュエリーを作ること。すべてのアイテムは、フィンランドの首都ヘルシンキで一つ一つサスティナブルに手作業で作られています。

カレワラ - 今に息づく伝統を、未来へ。

今日のカレワラ

80年をこえる長い歴史をもつカレワラは、今日でもその原点に忠実でありつづけています。つよく生きる人のために、いつまでもご愛用いただけるジュエリーを作ること。すべてのアイテムは、フィンランドの首都ヘルシンキで一つ一つサスティナブルに手作業で作られています。

カレワラ - 今に息づく伝統を、未来へ。