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Björn Weckström — jewelry artist

「ジュエリーは単なる装飾ではなく、芸術作品にもなりえる。」ジュエリーアーティストで彫刻家のビョルン・ヴェクストロム(Björn Weckström)は、国際的に最も有名なフィンランド人ジュエリーデザイナー。ペッカ・アンッティラ(Pekka Anttila)とともにジュエリーブランド「ラッポニア(Lapponia)」を創立し、ブランド特有の彫刻的デザイン言語を発展させました。

アーティスト、ビョルン・ヴェクストロムのキャリアはジュエリーから始まりました。 彼は 1956 年にヘルシンキの金細工職人学校を卒業し、特に才能あふれた創造的な学生として印象を残しました。キャリア初期にヴェクストロムは当時の精神に沿ったクリアでプレーンな幾何学模様のシルバージュエリーをデザインしました。

ヴェクストロムの大胆で実験的なデザインにインスパイアされ、彼の洞察力を信じた金細工職人学校時代の同級生ペッカ・アンッティラは、1963年にアンッティラ自身の会社「クルーヌ・コル(Kruunu Koru)」にデザイナーとしてヴェクストロムを誘いました。このことは、実りある協力関係とジュエリーデザインにおける新しいスタイルのはじまりを意味するのでした。同年、ヴェクストロムの提案により、エキゾチックな響きでありつつフィンランド国内外で容易に理解できる「ラッポニア・ジュエリー」に社名を変更しました。

1965 年、リオデジャネイロ市は市制 400 周年を記念してジュエリーデザインコンペティションを開催しました。 このコンテストには世界中から多くの参加者が集まりましたが、優勝したのはビョルン・ヴェクストロムのネックレス「フラワリング ウォール」でした。 「一夜にしてすべてが変わりました」とヴェクストロムは当時を思い出しながら語ります。 フィンランドのラップランドで採れる金塊に似たヴェクストロムの凹凸のあるマットゴールドのジュエリーは、すぐに世界的に知られるようになりました。 ラッポニアのゴールドジュエリーは中央ヨーロッパですぐに完売しました。 需要に応え、ラッポニアはラップランドの金からインスピレーションを得た新しいゴールドジュエリーを発表しました。 国際的に高い評価を得たことにより、新しい種類のデザインが成功する道がフィンランドでも開かれたのでした。

「ラップランドの金は温かい素材に思えました。」とヴェクストロムは、1950 年代後半のレンメンヨキ川での金採掘の旅などで訪れたラップランドを思い出しながら語ります。 これらの旅行で、ヴェクストロムはラップランドで採れるゴールドのマットな輝きにインスピレーションを受けたのでした。

ラップランドのゴールドで作られたジュエリーは 1970 年代も引き続き人気がありましたが、宇宙から得も言われぬインスピレーションを得たヴェクストロムは、シルバージュエリーのデザインも始めていました。 興味深い実験をするかのように、彼はジュエリーを時計と組み合わせました。 「ゴールドとシルバーで作られた腕時計と合わせることで、ラッポニアジュエリーを引き立てるアクセサリーの『トータルルック』を作りたかったのです。 これらの時計は 1975 年のBaselworld展示会でお披露目されました」とヴェクストロムは語ります。ヴェクストロムは銀とアクリルを組み合わせた、未来的なタイムマシンやタイムロッドなどの時計もデザインしました。

ヴェクストロムのジュエリーの時代を超越したデザインは、何十年にもわたり人々を惹きつけます。 写真は2023年5月に開催された Fashion in Helsinkiショーから。カレワラがアパレルブランドAalto Internationalの新しいコレクションにジュエリー提供しました。Photos by Guillaume Roujas

ヴェクストロムの宇宙をテーマにしたシルバー ジュエリーは、フィンランド国内外のコレクターに特に人気があり高い需要がありました。 宇宙は当時重要なテーマであり、ヴェクストロム自身も深く興味をそそられた分野でした。 「私にとって宇宙とは単に宇宙を意味するのではなく、人間自身の内部空間(スペース)も意味します。」1960 年代後半、ヴェクストロムは禅仏教と瞑想に興味を持ち始めました。 彼のシルバー ジュエリーに居る小さな人物は、人間と周囲の世界や宇宙との関係を表しています。 人類が月に足を踏み入れるという時代の画期的な出来事もヴェクストロムの心を捉えました。 「これらすべての要素が、わたしの『スペースシルバージュエリー』として知られる一連のジュエリーたちのデザインに影響を与えたのです。」

1970 年代の初めに、ラッポニアは重要な試みを行いました。同社はドイツからアクリルの量産機を購入し、ヴェクストロムは新しいジュエリーをスケッチし、その機械でシルバーと組み合わせる均一で明るいアクリルの塊を作ることを試みました。しかし、機械が蒸気を吹き出し、アクリルの塊の中に気泡ができてしまったのです。 当初、制作スタッフは失敗だと考えましたが、ヴェクストロムはランダムな泡がジュエリーに面白い個性を与えていることに気づきました。 青、緑、赤、紫の色の顔料とゴールドの小さなチップを組み合わせることで、アクリルの塊がユニークで独創的なジュエリーに変わりました。 このシリーズの最も有名な作品には、ペンダントの「スペース・アップル」と「キリマンジャロ」および「ペトリファイド・レイク」のリングが含まれます。

ビョルン・ヴェクストロムのキャリアにおける大きな転機は、1977 年の最初のスター・ウォーズ映画で彼のプラネターリセットラークソット・ネックレスが使用されたことでした。この世界的に有名なジュエリーを見るために、フィンランド国内外からの観光客が今でもヘルシンキにあるカレワラショップを訪れます。このストーリーはフィンランドのジュエリー芸術において伝説的であり、ジュエリー自体も象徴的なものとなっています。ヴェクストロムの他のデザイン同様、 そのネックレスはただ賞賛されるだけではなく、実際に購入し着用することができます。

ヴェクストロム氏は、カレワラが「プレラブド(Pre-loved)」コンセプトのもとセカンドハンドのラッポニアジュエリーを販売しはじめたことについて、 「今日らしいことだね。」と喜んでくれています。ラッポニアのジュエリーはフィンランド国内外のセカンドハンド市場で長い間入手可能ではありましたが、 カレワラジュエリーの直営店で購入できるセカンドハンド品は、カレワラの金細工師によって丁寧に修復されます。 そうすることで、多くのジュエリーが、元の所有者の引き出しの奥から新しい所有者、そして新たな人生へとたどり着くための効果的な道すじとなることでしょう。ジュエリーたちの物語は続いていきます。

ビョルン・ヴェクストロムは、ラッポニア ジュエリーのために最も象徴的な作品をデザインし、2005 年ラッポニアはカレワラに買収されました。2020 年のブランド改革では、ラッポニアの製品もカレワラとしてブランド化されました。ヴェクストロムは同年、リニューアルされたカレワラのためにGolden Chasmジュエリーコレクションをデザインしました。

ヴェクストロムのユニークなデザインの遺産たちは今も生き続けています。カレワラのコレクションとして、そしてPre-lovedコンセプトのもと、セカンドハンドアイテムとして。

ブログ著者: Mari Wilenius

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Cataract ブレスレット

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Sukkula リング

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Gondan naamio リング

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Darinan koru -rannekoru – Kalevala-koru
Darinan koru ブレスレット

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