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Vetovoima― 静かな自信をかたちに
Design Juslin Maunula
かたちが明快であれば、言葉で飾り立てる必要はありません。カレワラのVetovoima(ヴェトヴォイマ)コレクションは、その一例といえます。モダンでミニマル、そして彫刻的な佇まいのなかで、幾何学、動き、素材が静かなバランスで響き合います。Vetovoimaはカレワラジュエリーの中でも人気の高いコレクションのひとつで、今回新たにリング、ピアス、ペンダントが加わり、ラインアップがさらに広がります。
Vetovoima(ヴェトヴォイマ)を手がけたのは、デザイナーデュオ Juslin–Maunula(ユスリン=マウヌラ)。彼女たちの仕事には、ファッションと建築の対話が、独自のデザイン言語として息づいています。デザイナー/ファッションデザイナーの Laura Juslin(ラウラ・ユスリン) と、建築家の Lilli Maunula(リッリ・マウヌラ) は、妥協のない制作姿勢でも知られています。削ぎ落とし、凝縮し、ミニマルへと研ぎ澄ます——足すのではなく、取り除く。
Vetovoimaの出発点にあるのは、幾何学と、光と影のハーモニーです。フォルムは規則性のある基本形に基づき、ミラーイメージにしても反転させても、そのアイデンティティを失いません。コレクションは、対称的な基本形とその対となるかたち――捉えやすく、ほとんど原型(アーキタイプ)のように感じられるフォルム――によって構成されています。そこにはどこか原初的で、静かな均衡が宿っています。
「幾何学は冷たいものではありません。そこには構造と静けさがあります。Vetovoimaでは、フォルムがそれ自体で成り立つのです」と、Lilli Maunula(リッリ・マウヌラ)は語ります。
出発点は規則的なかたちでありながら、コレクションの核にあるのは「動き」です。シルバーやブロンズの板から生まれるフォルムは、しなやかに曲がり、巻き、二次元から立ち上がっていきます。表面は純粋な基本形をほどよく崩し、そこに生命感を与えます。光と影がジュエリーの表面を移ろい、ミニマルなフォルムに、繊細なリズムが生まれるのです。
「タイムレスであることは、責任あるものづくりを支える力です。私たちは、時を重ねても続くもの――意味と価値を保ち続けるジュエリーをつくりたいのです」と、Maunulaは語ります。
一貫したコンセプトが成長を可能にする
Vetovoima(ヴェトヴォイマ)は、強く明快なコンセプトがあることで、コレクションが自然に広がっていく好例です。新作にもVetovoimaらしいデザイン言語が息づいており、オリジナルのアイデアの延長線上に位置づけられています。
「コンセプトが調和し、すべての要素が同じ言語で語っていると、デザインはほとんど自然に流れるように進みます。どのようなロジックに沿えばよいかが分かっているので、シリーズを補完していくのも容易です」とJuslinは語ります。
コレクションの内側にあるリズム、プロポーション、そして表面の対話が、手仕事の痕跡を力強く、そして識別できるものとして保っています。ジュエリーは組み合わせても、単体でも美しく成立し、Vetovoimaは身につける人のスタイルや日常に合わせて寄り添うコレクションです。
身にまとう小さな彫刻
Juslin–Maunulaの制作は、本質的に彫刻的です。彼女たちは複数のスケールでデザインを行い、その思考は服や空間からジュエリーへと同じようにスケールしていきます。Vetovoimaのジュエリーは、小さな“身にまとう彫刻”のような存在です。
「ジュエリーデザインには、フォルムと着用性のバランスに対する繊細さが求められます。かたちは身体や顔、動きとの関係の中で機能しなければならない一方で、身につける人がいなくても強さを保つ必要があります」とJuslinは語ります。「Vetovoimaは装飾的ではありません。注目を集めようとするのではなく、静かな自信を漂わせます。声高に主張する必要のない感覚。」
「私はここにいる。自分の領域を保ち、そこを騒がしさで埋める必要はないのです」と、Maunulaは付け加えます。
手仕事が核にあるコラボレーション
Vetovoima コレクションは、カレワラの金細工職人たちとの緊密な協働によって生まれました。ヘルシンキの工房で過ごした日々と、手仕事に関する深い専門性は、デザインにとって決定的に重要な要素でした。
「カレワラの物語の一部になれることは、とても光栄です。ジュエリーが今もヘルシンキで作られ、熟練の手によって完成するという事実が、この仕事に特別な意味を与えてくれます」とJuslinは語ります。

タイムレスなデザインという責任ある選択
カレワラのデザイン戦略も、同じ考え方を強く基盤としています。クリエイティブディレクターの Aino Ahlnäs(アイノ・アールネース) は、Vetovoima を「自分が何者かを知っている人のためのコレクション」だと表現します。
「Vetovoimaは注目を集めるために叫ぶのではなく、そこに“在る”のです。その強さは、落ち着き、知性、そして機知に宿っています。だからこそ、抗いがたい魅力があるのだと思います」とAino Ahlnäsは語ります。「Vetovoimaはモダンでタイムレスでありながら、最後には“感情”でもあります。その役割は身につける人を定義することではなく、すでにその人の中にあるものをそっと強めることなのです。」












































