ジャーナル
2026年国際女性デーに寄せて
すべての始まり-女性リーダーシップについての私たちの想い
キルシ・パーッカリ(CEO 最高経営責任者 )
アイノ・アールネース(クリエイティブディレクター)

カレワラジュエリー は、強い意志を持った女性たちによる、「良いことをしたい」という思いから生まれました。約90年に渡り、私たちはフィンランドのクラフツマンシップと文化遺産を守りながら、平等の実現に取り組んできました。感情知性を大切にした勇気あるリーダーシップ、そして揺るぎない価値観は、今も私たちの根幹にあります。
カレワラジュエリーが誕生したのは1930年代。社会に積極的に関わっていた女性たちが、先人の女性たちが身につけていた美しいジュエリーを、現代の女性にも届けながら、社会活動へ役立てたいと願ったことがきっかけでした。彼女たちに共通していたのは、強い信念とあきらめない姿勢、そして限界を打ち破る勇気でした。同時に、必要に応じて方向転換も辞さないしなやかな力。
創業者のエルサ・ヘポラウタはカレワラジュエリーを1939年のニューヨーク万博へと導き、ホワイトハウスで当時の米国大統領ルーズベルト夫人、エレノア・ルーズベルトの心をも掴んだ先駆者でした。大統領夫人はエルサの人柄と贈られたジュエリーをとても気に入り、そのことを自身の『My Day』コラムにも書いています。そのコラムは当時、アメリカ国内で100以上の新聞に掲載されました。
当時、男性中心のビジネス界で、アイノ=マリ・メックリンが一代目の女性CEOに就任しました。また、1963年にはパウラ・ハイヴァオヤが初の女性チーフデザイナーに就任。彼女がもたらしたデザインの革新は、今の時代にも通じるほど新鮮です。

「カレワラジュエリー設立後、当時フィンランド大統領であったキュオスティ・カッリオは、会社の法律面やビジネス面は男性が担い、感情的な女性たちは芸術的な業務に集中すればよいのではないか、と提案しました。強い意志を持つエルサ・ヘポラウタとCEOアイノ=マリ・メックリンは勇敢にもそれには動じず、アイノ=マリが会社初のCEOに就任しました。
私は、会社の歴史と価値観を心から誇りに思っています。そしてこの企業の8代目CEOとして働けることを、本当に光栄だと感じています。これまでのCEOも全員女性でした。その歴史は誇らしい一方で、次の世代により良い形でバトンを渡せるよう、会社を前に進める責任も強く感じています。」
女性リーダーはいまだに企業経営の中では少数派。だからこそ、企業が良いロールモデルとなることで、平等の実現に大きく貢献できると考えます。透明で公平なプロセス、前向きで支援的な雰囲気は、皆にリーダーへの道を開くのです。
― キルシ・パーッカリ、CEO
そして今もなお、女性が所有する企業なのです。カレワラジュエリーの所有者でもある「Kalevalaisten Naisten Liitto(カレワラ女性団体)」の存在は、私たちの価値観の選択に強く表れています。私たちは、約90年もの間、生産をフィンランド国内、しかもヘルシンキに保ち続けてきた数少ないフィンランド企業の一つです。これによりフィンランドの手工芸の伝統を守ることができ、それは私たちの競争力の一つとなっています。さらにこれらは、女性の視点とあわせて、国際市場や日本市場においても重要な差別化の要素となっています。ーパーッカリ

「女性リーダーシップが最も輝くのは、感情知性と多角的な視点で物事の全体像を捉える力が発揮するときです。その力が、勇気ある決断や明確な方向性とビジョンを生み出します。
カレワラジュエリー では、社員それぞれがユニークな存在。一人ひとりの強みや人生経験、視点が尊重されています。多様性こそが、私たちをより強く、よりクリエイティブにしてくれる。知識を分かち合い、互いを支え合うことで、革新や成長が生まれ、その影響力は国内だけでなく世界にも広がっていくのです。」
「すべてのジュエリーを今もフィンランドの自社工房で作っている――それは、私たちの価値観、長期的なビジョン、そして責任感の表れです。同時に、私たちは未来に向けて常に好奇心を持ち、より良いものを目指し続けています。ブランドは「私たちが一時的に預かっているもの」。だからこそ、次の90年に向けて、今よりも強くして受け継いでいく義務があるのだと思っています。」
― アイノ・アールネース、クリエイティブ・ディレクター
国際女性デーは、これまでの歩みに感謝すると同時に、「平等はまだ道半ばである」という大切な気づきを与えてくれる日です。先人への敬意を忘れず、互いに励まし合いながら、女性の権利がまだ当たり前ではない世界の中で、前を向いて進んでいくための時間でもあります。
私たちはリーダーとして、そして企業として、ビジネスだけでなく社会全体の平等にも貢献しています。カレワラジュエリーの存在意義は、創業以来変わらず、「良いことをすること」。今年も利益の3分の1を社員のウェルビーイングと社会貢献のために使い、ケニアのカレワラトレーニングセンターを通じて、困難な状況にある女子や女性たちの教育を支援していきます。ケニアのカレワラトレーニングセンターでは、2020年の開校以来、642人の若い女性が教育を受け、より良い未来を築く機会を得ました。教育は、世界の少女や女性の権利を向上させるための道なのです。
できる場所で、できる範囲で、意味のある選択をする――その積み重ねが未来を変えます。小さな一歩にも、大きな価値があります。
国際女性デーに、すべての女性へ心からの敬意を込めて。
キルシ・パーッカリ&アイノ・アールネース











